海上輸送の中継拠点、ロッテルダム港
インドネシアから欧州市場にパーム油を輸出するためには、海上輸送の中継拠点としてオランダのロッテルダム港を経由しなければならないことが多い。欧州には、ロッテルダム港の他にもドイツのハンブルグ港やイギリスのフォース港などの大きな港があるが、ロッテルダム港を利用する方が、より順調に欧州にパーム油を輸出できる。
ロッテルダム港では、原料となる粗パーム油(CPO)だけでなく、脱酸・脱色・脱臭(RBD)パームオレイン、RBDパームステアリン、パーム脂肪酸蒸留物(PFAD)、脂肪酸、脂肪アルコールなどのパーム油派生品の取引も行われている。
欧州の輸入企業はほかにも大きな港があるにもかかわらず、なぜロッテルダム港経由でインドネシアのCPOを購入するのだろうか。オランダがパーム油の輸出国である事実をたどると、CPOと欧州で加工されたパーム油の両方のかたちで輸出されていることがわかる。グローバル企業の大規模なパーム油精製工場がオランダにあるため、流通を効率化するために、ロッテルダム港が主要な港として選ばれた。
インドネシアのCPO生産は増加傾向にあり、市場でのシェアもある。そこで、インドネシア政府は将来、海上運送の中継拠点として、ロッテルダム港経由ではなく、欧州の他の港を介して輸出したいと考えているという。この方法は、ロッテルダム港の中継拠点としての役割を他の港に代えるということではない。
出典:InfoSAWIT 11月19日付(要約)