2021年度の国内バイオマスエネルギー市場規模(エネルギー供給量を金額ベースに換算)は前年度比約8.3%増の7,261億円(見込み)であった((株)矢野経済研究所調べ)(※1)。バイオマス発電所は燃料の多くを輸入に頼っており、なかでも15年の約46万tから21年に約252万tと輸入が大幅に増加している燃料に「パーム椰子殻(PKS)」がある。11月17日に大阪で開催された「インドネシア・パームバイオマス国際シンポジウム」では、PKS燃料の生産、輸出、バイオマス発電所の動向について講演が行われた。
パーム椰子殻(PKS)輸入増
経済産業省が2021年10月に発表した「第6次エネルギー基本計画」では、30年の再エネの電源構成の割合を36~38%とし、そのうち5%をバイオマス発電とする目標が立てられた。19年比で約2.4%の増加となる見込みだ。21年時点で、バイオマス発電は日本の全発電電力量の4.1%を占めているが、前年比0.9%増と拡大傾向にあるという((特非)環境エネルギー政策研究所資料より)。
現在、バイオマス発電所は燃料の多くを輸入バイオマスに頼っており、なかでも大幅に輸入が増加している燃料に「パーム椰子殻(PKS)」がある。PKS輸入量は15年の約46万tから21年には約252万tと大幅に増加した。PKSは、アブラヤシからパーム油を生産する過程で副産物として得られるもので、主な生産国はインドネシアとマレーシアだ。インドネシアのPKS年間生産量は1,100万tであり、そのうち350万tが輸出されている(21年のPKS輸出額(※2)は3億4,207万ドル)。インドネシアのPKSの最大の輸出先は日本であり、韓国やマレーシア、シンガポールが続く。
つづきはこちら→バイオマス発電が直面する課題~バイオマス発電市場動向(2)
※1 出典:(株)矢野経済研究所「バイオマスエネルギー市場に関する調査(2021年)」(21年10月28日発表)
※2 HSコード:14049091の合計輸出額。
(つづく)
【石井 ゆかり】