インドネシア政府のパーム油の輸出税の規制はパーム油産業にとって重荷となっており、世界市場における粗パーム油(CPO)価格の伸びが抑制されている。12月1日~15日のCPO輸出税は1tあたり33ドル、輸出時のパーム油プランテーション基金による課税は1tあたり85ドルと定められてきた。

 マレーシア・パーム油委員会(MPOC)のマレーシア証券取引所デリバティブ部門の市場価格に関するデータによると、パーム油先物の価格が12月1日頃から下落し始めたことが明らかだ。11月30日のパーム油先物の価格は、1tあたり4,234リンギット(約960ドル)であったが、12月13日には、1tあたり3,886リンギット(約881ドル)まで下落した。

 Info SAWITビジネスデータセンター(PDBIS)によると、12月1日~12月13日にかけてインドネシア政府により施行された輸出課税により、粗パーム油(CPO)価格が下落しているという。一方、植物油の輸入国における市場の需要が減少し、ウクライナ危機で国際輸送が複雑化している影響を受け、パーム油以外の植物油の価格も下落した。

 世界的にCPO価格が下落しているため、パーム油産業も大きな影響を受けている。インドネシア・ルピアの対ドル相場が上昇した一方、輸出課税による負担は1tあたり合計118ドルとなり、農家から出荷されるアブラヤシの果実(FFB)の価格が引き下げられたためだ。

 インドネシアでは、オークションで粗パーム油(CPO)を販売するPT. Kharisma Pemasaran Bersama Nusantara(KPBN)の情報によると、12月1日~12日のCPO価格も、1kg当たり748ルピア値下がりした。

 Info SAWITビジネスデータセンターによると、CPO価格は2022年12月末までに1kg当たり約100~300ルピア下落すると推定されている。CPOに対する1tあたり118ドルの輸出課税や輸送の現状を考慮すると、1kg当たりさらに約200~500ルピア下落する可能性がある。

出典:InfoSAWIT 12月15日付