粗パーム油(CPO)価格の動向
経済メディアのBloombergのデータによると、粗パーム油(CPO)価格は4月に1tあたり6,270リンギットの最高値になり、その後、今年6月前後まで1tあたり6,000リンギットで推移した。9月29日に1tあたり3,269リンギットの最低水準まで下落したが、その後上昇し、今週初めに1tあたり4,433リンギットまで回復した。
マレーシアのCGS-CIMB Securities Sdn. Bhd.農業部門研究者のIvy Ng Lee Fangは、CPO価格は今年の最安値からは回復したが、パーム油の原料となるアブラヤシのプランテーション企業の株の価値が上昇した今年の前半ほどには価格が上がっていないと語った。
Ivy Ng Lee Fangは、CPO価格は値下がりしたが、CPO供給に懸念が出ているため、CPO価格は今週、上昇すると予測している。経済・金融メディアのThe Edge Marketsによると、Ivy Ng Lee Fangは「カリマンタン島で洪水があったため、市場へのCPO供給に影響が出るのではないかと懸念されていました。加えて、以前はインドネシアで在庫が過剰となる懸念がありましたが、輸出政策が緩和されたため、その懸念は少なくなっているようです」と語ったという。
インドネシアは、食用パーム油の価格を安定させるために4月下旬から3週間行われた輸出禁止により蓄積された過剰在庫を減らすために、7月中旬からパーム油輸出時のパーム油農園基金の課税の免除を開始した。
パーム油農園基金の課税の免除が延長された後、CPO基準価格が1tあたり800ドル(3,795.20リンギット)を下回っている限り、インドネシアのCPO輸出はマレーシアよりも競争力があるという。「インドネシアのパーム油在庫は、7月末の590万トンから8月末には410万トンに減少しました。マレーシアのCPO取引に影響が出ましたが、インドネシアは在庫を適切に減らすことができたようです」(Ivy Ng Lee Fang)。
出典:InfoSAWIT 11月28日付