パーム油の専門家であり、「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)」顧問のM.R.チャンドラン氏は、コロナ後の食品用および再生可能エネルギー燃料としての油脂の世界的な需要を満たす上で、植物油業界はサプライチェーンに関する大きな課題に直面していると述べている。

 マレーシアの粗パーム油(CPO)生産量は3年連続で小幅な伸びに留まっている。マレーシアのCPO生産量は数年前には2,000万トン近くであったが、2021年には1,810万トンに減少し、22年は約1,830万トンになるだろうと推定されている。

 「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)」顧問・M.R.チャンドラン氏によると、CPOの生産量は1haあたり1t近く落ち込み、マレーシアには515万haの成熟したプランテーションを持つ土地抵当銀行があることを考えると、CPOの生産損失は500万トンに相当するという。

 マレーシアのニュースサイト、The Starによると、チャンドラン氏は、「昨年のCPOとパーム核の平均価格から試算すると、マレーシアのパーム油業界は約250億リンギットという巨額の損失を被りました」と語ったという。

 一方、チャンドラン氏は、インドネシアのCPO生産量は21年には4,470万トンだったが、22年には4,540万トンに達すると予測している。

 市場でCPO供給不足が懸念された結果、CPO価格は1tあたり4,000リンギット以上に上昇し始めている。「23年3月末まで、CPO価格は1tあたり3,800~4,500リンギットの範囲で取引されると予測しています」(チャンドラン氏)。

出典:InfoSAWIT 11月14日付