パーム油の輸出量が8月に急増
インドネシアの8月のパーム製品の輸出量は、7月の270万5,000tから162万9,000t増加し、433万4,000tとなった。輸出品のうち最も増加したのは加工された粗パーム油(CPO)で、7月の192万3,000tから8月には297万1,000tになった。
パーム油の輸出量が8月に急増したのは、インドネシア政府がパーム油輸出時のパーム油農園基金による課税を一時的に免除する措置を10月まで延長することを決定したためであり、アイルランガ・ハルタルト・インドネシア経済担当調整大臣を通じて、この免除措置を年末まで延長する計画だ。世界の植物油市場において、インドネシアのパーム油製品の国際市場での競争力が高まるため、課税停止は輸出企業にとってメリットとなる。
インドネシアでは、8月のパーム油の輸出量が増加したため、輸出額も増加した。パーム油の輸出額は、7月の38億ドルから8月には前月比9億ドル増の47億9,100ドルとなった。一方、CPOのロッテルダム港CIF価格は7月には1tあたり1,203ドルであったが、8月には1tあたり1,095ドルに下落した。
輸出が最も増加した輸出先3ヵ国
インド
インドへのパーム油輸出量は、7月の37万800tから、8月には前月比193%増の108万6,000tになった。
中国
中国へのパーム油輸出量は、7月の52万4,000tから、8月には同68%増の87万9,700tになった。
欧州連合
欧州連合(EU)へのパーム油輸出量は、7月の33万4,000tから、8月には同51.7%増の50万6,800tになった。
輸出の増加は、生産量が7月の380万3,000tから8月には同50万3,000t増の430万6,000tになったことによって支えられている。生産量が増加したのは、季節的な要因によるものであり、インドネシアのすべてのパーム油工場は完全に稼働しているという。ただし、2022年1~8月の生産量3,160万トンは、21年1~8月の生産量3,357万トンを下回っている。
8月のインドネシアの国内消費量は184万1,000tで、7月の188万1,000tに比べて2.2%減少したが、21年8月の146万5,000tよりは増加した。22年1~8月の国内消費量は1,329万9,000tで、21年1~8月の1,225万3,000tより8.5%増加した。これらの動向により、パーム油の在庫は7月の590万5,000tから8月には403万6,000tに減少した。

出典:インドネシアパーム油協会(IPOA) 10月11日付