マレーシアでは、輸出需要を上回るほど国内生産量が増加しているため、パーム油供給量が過去3年間で最高水準まで増加する可能性がある。
ブルームバーグがアナリスト、トレーダー、パーム農園経営者の計10人に行った調査によると、9月のパーム油の在庫は前月比約8%増の226万トンになった。4カ月連続で増加しており、パーム油の在庫は2019年10月以来の最高水準にまで上昇している。
ブルームバーグによると、在庫が増えて生産量が多くなり、マレーシアから輸出が好調であるため、価格はここ3カ月間、下落傾向にあり、世界の食品インフレがいくらか緩和されている。マレーシアの通貨、リンギット安により、価格に敏感な買い手にとってパーム油をより購入しやすくなる一方で、世界的な不況により、食用植物油の需要が抑制されるのではないかという懸念が高まっているため、先行きは不透明だ。
9月のマレーシアのパーム油生産量は前月比約2.3%増加し、過去2年間で最高となる177万トンになった。ブルームバーグの調査によると、8月の生産量が同10%増加したときに比べると上昇幅は小さくなったが、9月の輸出量は同7.7%増の140万トンとなり、昨年12月以来の高い水準となった。
シンガポールのPalm Oil Analyticsの創設者の1人であるSathia Varqaは、パーム油価格は不安定なままであると述べ、「パーム油の供給が増加しており、輸出に対してさまざまな障壁があります。そのため、引き合いの減少、食用植物油の大幅な値下げ、リンギット安、配送関税の安さにより、利益がもたらされるでしょう」と語った。
10月のマレーシアのパーム油の価格は、1tあたり3,300リンギット(710ドル)から3,700リンギットの間で変動すると予測されている。
出典:InfoSAWIT ENGLISH 10月9日