マレーシアの8月末のパーム油在庫は、過去33カ月で最高水準まで上昇した。パーム油の原料となるアブラヤシの実の収穫のピークとなる季節であるため、パーム油生産量が増加したためだ。

パーム油の生産のピークは8月

 マレーシア・パーム油庁(MPOB)の報告によると、マレーシアの8月末のパーム油の在庫は前月比18.16%増の209万トンとなり、2019年11月以来の最高水準に達した。8月の粗パーム油(CPO)の生産量は3カ月連続で増加しており、前月比9.67%増の173万トンとなった。8月の輸出量は同1.94%減の130万トンになったという。マレーシアの経済・金融メディア、The Edge Malaysiaが報じた。

 一方、9月と10月に輸出により納品されるパーム油は月間130万トンを超える見込みだ。マレーシア・セランゴール州に本社があるPelindung Bestari Sdn. Bhd.取締役・Paramalingam Supramaniamは、パーム油価格が下落していることはインドからの関心を高めるだろうと語った。

 一方、マレーシア・パーム油協会(MPOA)会長・Joseph Tekは、インドネシアが輸出時の課税を改正し、輸出量が増えて在庫がなくなり、CPOの販売価格が下がり競争が激化する可能性があるため、マレーシアでは、CPO需要に対する懸念が残っていると推測している。

 マレーシア・パーム油協会は、3年連続したラニーニャ現象の発生により、天候が不確実性であるため、アブラヤシの生産量は今後数カ月で打撃を受ける可能性があると警告している。「ラニーニャは年末まで続くと予想され、豪雨と洪水が発生して農園は悪影響を受けると予想されています」(Joseph Tek会長)。

 マレーシアの農園では労働力不足に見舞われているため、22年のパーム油生産量は3年連続で減少するか、昨年の1,880万トンから変わらないと予想されている。

出典:InfoSAWIT 9月14日付