6月のインドネシアのパーム油の輸出量は、5月23日の輸出禁止の解除を受けて233万4,000tとなり、5月の67万8,000tの3.4倍に増加した。一方、粗パーム油(CPO)価格が下落していることから、6月のパーム油の輸出により、インドネシア国内のパーム油の在庫はまだ大幅には減っていないことがわかる。

 インドネシア政府が5月23日以降、パーム油の輸出禁止を解除することを決定したことを受けて、6月のインドネシアのパーム油の輸出量は233万4,000tとなり、5月の67万8,000tの3.4倍に増加した。6月のインドネシアのパーム油の輸出量は、パキスタン向けが5月の28万1,000tから29万5,000tに増加し、EU向けが17万7,800tから29万6,700t、中国向けが20万8,500tから41万6,200t、インド向けが15万4,500tから21万2,300t、アフリカ向けは15万6,600tから19万9,400tに増加した。

 6月のインドネシアのパーム油の国内消費量は前月比22万5,000t増の183万5,000tとなった。国内消費のうち最も増加幅が大きかったのは、バイオディーゼル生産部門で同13万トン増の72万トンであり、次に食品部門で同9万7,000t増の93万4,000tだった。6月の粗パーム油(CPO)生産量は同約6%増の329万7,000tになり、パーム核油(PKO)生産量は32万2,000tとなった。

 CPO生産量が増加したのは、パーム油の原料となるアブラヤシの実(FFB)の生産量が増加傾向にあることと一致した。しかし、パーム油工場では、パーム油貯蔵タンクの在庫は依然として多く、生産されたFFBはまだ完全には処理されていない。

 上記の生産、消費、輸出により、6月末のインドネシアのパーム油の在庫は668万3,000tと推定され、5月末の在庫723万3,000tに比べて減少した。

 一方、世界市場では、CPOロッテルダム港のCIF 価格は5月の1tあたり1,714ドルから6月には1tあたり1,573ドルに下落した。インドネシアのPT. Kharisma Pemasaran Bersama Nusantara (KPBN)オークションのCPO平均価格も、6月上旬の1kg当たり約13,000ルピアから6月末には1kg当たり約8,500ルピアに下落した。CPO価格が下落していることから、6月のパーム油の輸出により、インドネシア国内のパーム油の在庫はまだ大幅には減っておらず、インドネシア国内市場でのCPO価格をまだ押し上げることができなかったことがわかる。

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6月のインドネシアのパーム油の生産・輸出情報

出典:インドネシアパーム油協会(IPOA) 8月11日付