インドネシアでは5月23日に輸出禁止は取り消されたが、パーム油生産者は、国内市場(供給)義務(DMO)政策に応じるため、パーム油を直接輸出することはできない。

 インドネシアの国内市場(供給)義務(DMO)政策により、世界のパーム油の供給が不安定になり、粗パーム油(CPO)価格は影響を受けた。たとえば、マレーシア証券取引所デリバティブ部門では、パーム油価格が5月27日までの3週間で最高水準に達した。大連商品取引所では、インドネシアからの供給がなく、パーム油の供給が限られていたため、パーム油の価格はさらに上昇するだろうと予測されていた。

 インドの食用油取引大手ゴドレジ・インターナショナル取締役・ドラブ・ミストリー氏は一部のメディアへの公開書簡で、パーム油の輸出を禁止していたインドネシア政府に対して、CPOの輸出を直ちに再開するよう促した。インドネシアがCPOを輸出していなかったため、小規模農家の経営が悪化するだろうと予測していたためだ。

 マレーシア政府の植物油専門の上級分析者は、インドネシアにCPOの輸出を続けるよう促し、インドネシアの国内市場(供給)義務に関連してCPOの輸出が一時的に停止した場合、パーム油の原料となるアブラヤシを栽培している小規模農家にとって悲惨なことになるだろうと警告した。インドネシアでは、5月のCPO在庫が最高水準となる700万トン以上に達した。

 ドラブ・ミストリー氏は、「5月末までにCPOの輸出が行われなければ、パーム油工場の貯蔵タンクがいっぱいになり、産業が停止するでしょう」と公開書簡で指摘していた。

 インドネシア政府はCPO輸出を再開した後、国内市場(供給)義務を再び実施したが、業界関係者は輸出の仕組みを研究していたため、すぐに輸出を行うことができなかった。ロイターによると、ドラブ・ミストリー氏は「輸出企業は最新の規制の詳細を知るために、CPOの出荷を延期しました」と話したという。

 インドネシアの小規模農家が支払わなければならない輸出などの税金は、6月時点で1tあたり575ドルに達していた。しかし、マレーシアの小規模農家は、1tあたり約125ドルの税金しか支払っていなかったという。

出典:InfoSAWIT ENGLISH 8月11日付
   (インドネシア語版に2022年6月に掲載)