5月のインドネシアのパーム油産業は、4月28日~5月23日まで続いた食用パーム油とその派生品の輸出禁止政策の影響を受けた。輸出禁止は、パーム油の輸出実績だけでなく生産にも影響をおよぼした。
パーム油の原料となるアブラヤシの実(FFB)の生産量は増加したが、粗パーム油(CPO)の生産量は前月比18%減となった。多くのパーム油工場は、貯蔵タンクの容量が限られているため、アブラヤシの実の収穫と小規模農家からのFFBの購入を制限し始めた。
5月のインドネシアのパーム油製品の輸出量はわずか67万8,000tとなり、4月の208万9,000tに比べて68%減となった。CPOと精製されたCPOの輸出量が最も低下した。 5月の油脂化学品の輸出量は31万8,000tとなり、4月の輸出量31万9,000tから横ばいだ。5月のインドネシアの中国への輸出は前月比28%減、米国への輸出は同32%減、フィリピンへの輸出は同52%減、ロシアへの輸出は同64%減、欧州連合への輸出は同64%減、シンガポールへの輸出は同67%減、インドへの輸出は同80%減、パキスタンへの輸出は同90%減、バングラデシュへの輸出は同98%減となった。
CPOロッテルダム港CIF価格は、4月の1tあたり1,719ドルから5月には1,714ドルに下落した。CPOのインドネシア国内入札価格も4月の1tあたり1,144.7ドルから5月には936.0ドルに下落した。CPO価格が低下したため、小規模農家が受け取るFFB価格も低下した。
5月のインドネシア国内のパーム油消費量は前月比0.8%減の161万トンとなった。食品産業の消費量は前月比3%増の83万7000tとなり、5月のバイオディーゼル生産における消費量は同22%減の59万トンとなった。輸出量が低下したため、パーム油の備蓄は4月の610万トンから5月には720万トンに増加した。
出典:インドネシアパーム油協会(IPOA) 7月15日付
