ロイターの7月5日の調査結果によると、6月末のマレーシアの粗パーム油(CPO)備蓄は、インドネシアからCPOとその派生品の輸出が減少したため、過去7カ月で最高水準になる可能性があるという。

 ロイターの8人のトレーダーの分析によると、6月末のマレーシアのCPO備蓄は前月比12.3%増の170万トンになると予測されている。CPO生産量も同8.3%増の158万トンとなり、21年12月以来で最も多い水準となるだろう。

 マレーシアのニュースサイト、The Starによると、マレーシア半島ではCPO備蓄は増加するが、生産量が減少する可能性があるという。シンガポールに本拠地を置くパーム油メディア・Palm Oil Analyticsの創設者であるSathia Varqaは、工場がパーム油の原料となるアブラヤシの実(FFB)の購入を削減しているためだと話している。

 一部のパーム油工場は、CPO先物価格が大幅に下落し利益が上がらなかったため、過去数週間、一時的に生産を停止した。

 マレーシアのCPO輸出は以前、増加していたが、インドネシアが食用パーム油とその派生品の輸出禁止を5月に解除してから減少し、122万トンになった。インドネシアは、再び輸出を促進する政策を実施しはじめている。

 シンガポールの商品先物取引を行う企業であるFour Bungのトレーダー、Ronny Lauは、インドネシアのCPOの輸出禁止が取消されて以来、CPO価格は大幅に安くなったが、インドネシアからの輸出は期待どおりに積極的に増加していないと話した。インドネシアはCPOの輸出割当を増やしており、備蓄が多い時期に小規模農家からのFFB買取価格を下支えするため、バイオディーゼルへのパーム油の混合を増やすことを検討している。

出典:InfoSAWIT ENGLISH 7月9日