パーム椰子殻(PKS)取引に関する覚書(MOU)が、インドネシアの国営プランテーション会社、PT. Perkebunan Nusantara V(PTPN V)・Jatmiko K Sentosa代表取締役とPT. Sinergi Kharisma Yuda(SKY)・川村恵之社長により、6月14日にリアウ州のシアク県のタンジュンブトン港で署名されたことがわかった。
SKYは、化学工業薬品と製造原料の専門商社、林六(株)(大阪府)と輸出入事業を行うThe Sakura Green(株)(大阪府)の合弁会社だ。両社は、PKSを加工して日本に輸出することに合意した。日本でPKSを発電所で用いたり、他の産業の需要に合わせて提供したりする。
川村社長は、初めてタンジュンブトン港を訪れて以来、PKS事業を行うことを夢見ていたと語った。PKS事業は有望なビジネスであり、成功させたいと考えていた。
川村社長は、2021年の初めにタンジュンブトン港に保管庫を備え、事業を開始したと話した。「これまでPKSを日本やほかの国に3回輸出してきました。私たちはかつて失敗しましたが、それから成功しました。当社はビジネスを行う上での経験と専門知識をもっています。SKYは今回、4回目の輸出を予定しており、PKS輸出量は少なくとも44,000tとなる見込みです」(川村社長)。
川村社長によると、PKSの世界的な需要は過去数年間と比較して大幅に増加しており、その価格は上昇し続けている。「世界的な需要の高まりを考えると、インドネシアはPKSの輸出を増やす大きな可能性を秘めています。さらに、脱炭素化が世界的に求められるなか、PKSは石炭に代わる代替エネルギーとして世界的に認められています」(川村社長)。
「現在、すべての活動はエネルギーに大きく依存しています。しかし一方で、世界は石油や石炭などの化石燃料の使用を減らし、持続可能性を実現することに本格的に取り組んでいます」(川村社長)。川村社長は、世界的な傾向を考えて、炭素排出量を大幅に削減できるバイオマスエネルギーとしてPKSに焦点を充てることを決定したと説明した。
林六(株)の山科正已専務取締役は、「今後10年間でバイオマス発電所が日本で増加すると見込まれます。タンジュンブトン港に長期的に投資を行い、PKSを日本に長期的に輸出する予定です。日本とインドネシアの二国間関係が改善され、両国がビジネスを支援することを願っています」と言った。
現在、SKYは、PKSのようなエネルギー産業として成長することが期待される「ブラックペレット」を製造するための新しい試験計画も進めている。ブラックペレットとは木材を粉砕して乾燥し、焙煎して半炭化したもので、既存の火力発電所の設備に石炭と同じように投入できる。今回、PT. Sinergi Kharisma YudaとPTPNVは、リアウ州タンジュンブトン港での「ブラックペレット」試験計画の原材料を提供するための覚書(MOU)にも署名した。
出典:インドネシアパーム油協会(IPOA) 7月7日付