マレーシア証券取引所デリバティブ部門では、7月5日にパーム油価格が再び下落した。インドネシア政府が、パーム油の原料となるアブラヤシの実(FFB)の農家からの買い取り価格を引き上げるため、パーム油の輸出割り当てを増やす計画をしていることが懸念されたためだ。

 マレーシア証券取引所デリバティブ部門では、9月に納品されるパーム油先物・FCPOc3は、7月5日の取引の初期段階で1.13%下落し、1tあたり4,301リンギット(973,96ドル)となった。パーム油先物の価格は、6月27日比で約7.6%下落した。

 粗パーム油(CPO)、精製、漂白および脱臭パーム油(RBD PO)、精製、漂白および脱臭パームオレイン(RBDパームオレイン)、使用済み食用パーム油の輸出承認の割り当て量に関する商業省国際貿易総局No.13/2022の決定によると、輸出業者に与えられるパーム油の輸出承認は、国内市場(供給)義務(DMO)による流通の根拠となる量の7倍とされる。

 同規則によると、この割り当ては、「バルク食用パーム油情報システム(SIMIRAH 2)」からの報告に準拠しており、輸出承認の申請を検証するために、インドネシア・ナショナル・シングル・ウィンドウ(SINSW)に配信されるという。この政策により、世界中でパーム油(CPO)供給が増加することが見込まれ、トレーダーは価格の下落に対応した。一方、ロイターによると、7月5日の大連商品取引所では、この日、大豆油・DBYcv1は2.76%下落し、パーム油・DCPcv1は2.56%下落したという。

 7月5日のブレント原油先物の価格は上昇した。ノルウェーでの労働者のストライキにより、石油とガスの生産が混乱し、供給が逼迫する懸念があることが原因だ。原油先物価格が上昇したため、パーム油はバイオディーゼル原料としてより魅力的な選択肢となった。

 ロイターのテクニカルアナリスト、ワン・タオ氏は、パーム油の価格はこれまで1tあたりリンギット3,900~4,090リンギットの範囲となると推定していたが、1tあたり4,267リンギットになる可能性が高いと話している。

出典:InfoSAWIT ENGLISH 7月7日