インドネシアのパーム農園運営と粗パーム油(CPO)製造を行う大手企業、ダルマ・サティヤ・ヌサンタラ(PT. Dharma Satya Nusantara Tbk、DSNG)と、イーレックス(株)の燃料調達に関する総括拠点子会社、イーレックス・シンガポール(eREX Singapore Pte Ltd)の合弁会社であるPT. Dharma Sumber Energi(DSE)は6月28日、1万500tのパーム椰子殻(PKS)を日本に輸出した。

 PT. Dharma Sumber Energi(以下、DSE)とイーレックス・シンガポール(eREX Singapore Pte Ltd)との間で基本合意書(MOU)が締結されたことに続いて、今回、DSEによるPKSの輸出が初めて行われた。基本合意書は、日本にPKSを供給するために、インドネシア・ジャカルタで2020年9月に署名された。

 PKSは、日本のバイオマス発電所の燃料として用いられる。イーレックス・シンガポールは、日本でバイオマス発電所の開発を行う上場企業、イーレックス(株)の子会社だ。

 今回の輸出では、サマリンダで荷船にPKSが積み込まれるにあたり、DSE代表取締役・Franciscus Efendi Sulisetyo、イーレックス・ゴトウヒロアキ氏、ハナダケンイチ氏が出席した。

 Efendi 代表取締役は、年間最大7万トンのPKSを15年間にわたり供給することで、長期的に提携していると話した。DSEは22年末までに、約2万1,000tのPKSを東カリマンタン州から段階的に出荷する予定だ。

 PKSは、東カリマンタン州ムアラワハウにあるダルマ・サティヤ・ヌサンタラ(PT. Dharma Satya Nusantara Tbk、以下、DSNG)の工場から出荷されており、「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)」によって認証されている。また、DSEは、持続可能なバイオマスを生産するための国際的な認証であり、日本の経済産業省の承認を受けている「GGL(グリーン・ゴールド・ラベル)」認証の監査を受けている。このように、DSEが製造するPKSは、日本政府がバイオマス発電所向けの燃料に要求する持続可能性を満たした製品だ。

 Efendi代表取締役は6月28日、「イーレックスとの長期契約により、イーレックスが所有する発電所のバイオマス燃料としてPKSを日本に輸出する機会がもたらされるでしょう。イーレックスとの提携は、DSEの親会社であるDSNGにとって、持続可能性を実装するための戦略的な方法です。CPO生産において廃棄物として発生するPKSを環境、社会、ガバナンス(ESG)の原則に基づいて活用します」と語った。

 一方、ゴトウ氏は、この最初の輸出はDSEとイーレックスにとってプロジェクトを達成するための重要な「マイルストーン」となると話した。これまで日本に輸出されたPKSは、そのほとんどがスマトラ島のパーム油工場からのものだ。「将来的には、東カリマンタン州はPKSサプライヤーとして大きな役割をはたし、PKS輸出の拡大に向けた次の供給源になるでしょう」(ゴトウ氏)。

出典:InfoSAWIT ENGLISH 6月29日