世界の粗パーム油(CPO)の価格が上昇している。CPO価格は、5月26日に1tあたり1,829ドルに達し、5月31日時点でも同1,765ドルまで上昇している。
インドネシアのジョコ・ウィドド大統領がCPOとその派生品の輸出禁止を解除した後、インドネシアからの輸出が大きなシェアを占めてきたCPO市場では、販売価格が1tあたり1,829ドルまで上昇した。しかし、インドネシアの多くの輸出業者は、バルク食用パーム油の原料として、海外に輸出するCPOの最大20%を国内市場(供給)義務(DMO)として国内に流通させなければならならず、輸出承認を取得することができなかったため、パーム油のトレーダーは大きな失望に見舞われた。
CPO価格は、5月20日にCPOとその派生品の輸出禁止が解除が発表されたときには1tあたり1,380ドルであったが、5月31日までに5月20日比385ドル上昇した。販売価格が5月20日比で約28℅上昇したのは、CPO輸出に対する世界の需要が高まっている強力な兆候となっている可能性がある。
マレーシア・パーム油委員会(MPOC)のデータによると、5月23日のCPO価格は1tあたり6,072リンギットであったが、5月31日までに同6,304リンギットまで上昇すると予測されていた。
Info SAWITビジネスデータセンター(PDBIS)は、世界の多くの植物油を輸入している国からの輸出の需要が伸びると予測しており、食用の植物油の主な供給源としてCPOは人気があることを強く示している可能性がある。大豆油やヒマワリ油などの植物油は、供給が不足しているためだ。
インドネシア政府は、食用パーム油の原料と国内での加工品の原料として最大1,000万t確保するため、CPO備蓄量を増やす計画を立てており、CPO輸入国が需要を満たす上で問題になる可能性がある。最も大きな出来事は、インドが小麦の輸出を禁止したことであり、世界的では、将来的に食用パーム油を含む食料需要による対立につながるだろう。
世界では、CPOおよびパーム核油(PKO)の供給の55%以上をインドネシアに依存している。世界的に植物油に対する年間需要が高まっているため、CPOの需要も高まっており、将来的には、植物油、とくにインドネシアからのCPOの供給が不足する可能性がある。
出典:InfoSAWIT ENGLISH 6月3日