インドネシア政府が4月28日に粗パーム油(CPO)とその派生品の輸出禁止を発表してから、パーム油の生産量が国内需要を上回っているため、工場の貯蔵タンクはCPOでいっぱいになり、在庫過剰となっている。

 インドネシア政府が4月28日に粗パーム油(CPO)とその派生品の輸出を禁止してから、輸出禁止が取り消される兆しはない。食用パーム油の供給は豊富であり、インドネシア国内の食用パーム油の価格は安くなり始めている。

 CPOを備蓄している貯蔵タンクがいっぱいであるため、多くの工場オーナーは慌てている。一部の工場では生産を遅らせ始めており、生産量が需要を上回っているため、小規模農家からパーム油の原料となるアブラヤシの実(FFB)を仕入れなくなった。

 インドネシア農園主協会(IPS)によると、小規模農家だけでなく、工場も同じようにパニックに陥っているという。インドネシア大農園主協会の議長の1人であるダルス・サラーム氏は5月11日、「工場の貯蔵タンクはCPOでいっぱいになっています」と語った。多くのバイヤーが輸出禁止政策の動向を見据えて仕入れを延期しているため、工場がバイヤーにCPOを販売するのは難しい。

 サラーム議長は続けて、「こうした状況のなか、一部のパーム油企業は、独立した小規模農家からのアブラヤシの実の購入を制限し始めました。最も極端な例では、パーム農園が、自社の農園で栽培しているアブラヤシの実を販売することを優先するために、小規模農家などの外部からアブラヤシの実を購入するのをやめています」と言った。

 インドネシア農園主協会のジャマルル会長は、インドネシア政府がCPO輸出禁止を撤回し、業界関係者と小規模農家が以前のようにパーム農園を運営できるようになることを望んでいる。

出典:InfoSAWIT ENGLISH 5月14日