ロシアのウクライナ侵攻により、海上輸送などの世界の物流網に影響が出ている。インドネシアでは、パーム油やPKSなどの燃料の輸出に対して、どのような影響が出ているのか。インドネシアのパーム油輸出企業PT ZANN CAPITAL INTERNATIONAL代表取締役・Danny Surya Dharma、同ゼネラルマネジャー・Abdula Azizに聞いた。

 ロシアのウクライナ侵攻により、インドネシアの国際物流に弊害が出ており、パーム油やPKSを日本に輸送するコンテナや船のブッキング(予約)が難しくなっている。PT ZANN CAPITAL INTERNATIONALゼネラルマネジャー・Abdula Azizは、「ロシアとウクライナの緊張が高まったときから船のブッキングが難しくなりましたが、最近はブッキングがますます困難になっています」と話す。

PT ZANN CAPITAL INTERNATIONALゼネラルマネジャー・Abdula Aziz
PT ZANN CAPITAL INTERNATIONAL ゼネラルマネジャー・Abdula Aziz

 パーム油価格が高騰し、コンテナ船の運賃の値上げでパーム燃料を輸入する際の物流コストが上昇しているため、バイオマス発電事業の収支を黒字化することが難しくなりやすい。日系商社は、インドネシアのサプライヤーからの調達費用を抑えたいという需要があるため、パーム燃料の輸出に関する商談が成立しづらい状況にあるという。

 ウクライナでは湾岸閉鎖などにより、ひまわり油、大豆油、オリーブ油の輸出が減少している。同代表取締役・Danny Surya Dharmaは「各国がこれらの植物油の埋め合わせとして、インドネシアからパーム油を輸入しているため、インドネシアのパーム油の輸出需要は高まっています」と語る。

PT ZANN CAPITAL INTERNATIONAL代表取締役・Danny Surya Dharma
PT ZANN CAPITAL INTERNATIONAL代表取締役・Danny Surya Dharma

【石井 ゆかり】