2月の粗パーム油(CPO)のロッテルダム港CIF価格は1tあたり1,522ドルと前月比164ドル高く、また前年同月比469ドル高くなった。インドネシア国営企業KPBN社によると、2月のパーム油FOB価格は1kg当たり15,532ルピアと前月比721ルピア高くなった。
パーム油の価格が高騰しているのは、世界で植物油の生産量が少なく、とくに南米で大豆の生産量が予想外に減少したことが原因だ。2月のインドネシアのCPO生産量は350万5,000tと前月比25万8,000t減少し、パーム核油(PKO)の生産量は30万2,000tと同6万5,000t減少したと推定される。2月は1年のなかでもパーム油の原料となるアブラヤシ果実の生産量が少ない月となるためだ。パーム油の消費や輸出の動向は、パーム油価格が値上がりしている影響を受けている。
2月のインドネシア国内のパーム油消費量は、食品向けが48万9,000t(同17.3%減)、油脂化学品向けが17万8,000t(同2.7%減)、バイオディーゼル向けは71万トン(同3%減)となった。
インドネシアの2月のパーム油の総輸出量は209万8,000tと同3.7%減少した。価格が高騰しているにもかかわらず、2月のパーム油の輸出額は279万9000ドルとなり、同0.6%の減少にとどまった。とくに、アフリカへの輸出量が134万7,000t(同54%減)と大幅に減少した。フィリピンへの輸出は28万7,000t(同55%減)、ロシアへの輸出は64万2,000t(同7.8%減)となった。
21年のウクライナへの輸出量は月平均2万5,000tであったが、1月のウクライナへの輸出はわずか256tまで減少していた。しかし、2月には15万2,800tまで回復した。オランダ、中国、インド、バングラデシュ、マレーシアへの輸出は大幅に増加した。2月のオランダへの輸出は184万4,100t(同42.21%増)、中国向けは240万3,000t(同21.7%増)、インド向けは290万2,000t(同16.12%増)、バングラデシュ向けは126万トン(同+ 43.9%)、マレーシア向けは229万5,000t(同27.2%増)となった。
インドネシア気象気候地球物理庁(BMKG)は、22年の天候は正常であると予測しているが、国際情勢の先行きが見通せないため、パーム農園は生産性を向上させる努力を続けることが求められている。

出典:インドネシアパーム油協会(IPOA) 4月19日付