インドネシアのパーム油生産量は、2021年に前年比0.9%減の約4,660万トンとなったが、22年は天候に恵まれ、生産量が回復すると見込まれている。一方、18~19年に粗パーム油(CPO)の価格が低かったため、十分な肥料が用いられていないこと、マレーシアではコロナ禍での国境の制限により外国人労働者が入国できないことなど、依然として生産の課題は残る。
インドネシア・パーム油生産協会(GAPKI)の報告書によると、インドネシアのパーム油生産量は、2021年に前年比0.9%減の約4,660万トンとなったが、22年には生産量が増加すると予測されている。マレーシア・パーム油庁(MPOB)によると、21年のマレーシアのパーム油生産量は前年比90万トン減の1,830万トンになると推定されている。
22年は、インドネシアのパーム油の原料となるアブラヤシの生産量が回復すると予想されている。パーム農園の管理が順調であり、降雨量が多くなるラニーニャの影響がなく、農園の運営に天候の支障がないためだ。
一方、パーム油生産国評議会(CPOPC)の報告書によると、マレーシアでは、マレーシアのパーム農園で雇用されている約50万人の収穫者のうち約75%を占める外国人労働者が、コロナ禍の国境の制限により、マレーシアに入国できない状況だという。そのため、マレーシアのパーム油生産量が減少している。
シンガポールの証券会社・UOB Kay Hian のASEAN農園部門主任研究員・Leow Huey Chuenは、18~19年に粗パーム油(CPO)価格が低く、パーム農園では十分な肥料が用いられなかったため、22年のパーム油生産は依然として課題があると予測している。
出典:InfoSAWIT 4月19日付