粗パーム油(CPO)価格が4日連続で下落した後、ブレント原油の価格が安定し、トレーダーは輸出が増加すると見通しているため、5月納品のCPO契約は1tあたり6,359リンギットに上昇した。ここ1週間で最も大きな値上がりとなり、取引は1tあたり6,335リンギットで終了した。
6月納品のCPO契約は価格が上昇し、2022年の最高値を記録した。シンガポールのパーム油メディアのPalm Oil Analytics創設者・Sathia Varqaによると、原油価格が回復し、中国・大連の植物油市場が好調であるため、CPO価格が上昇したという。マレーシアの経済メディア、The Malaysian Reserveによると、Sathia Varqaは「中東と中国の需要は3月も堅調に推移し、マレーシアの輸出を後押しするだろう」と話しているという。
貨物調査会社のデータによると、マレーシアのCPO輸出は、2022年3月の第1四半期に前月比13~16%増加した。国際認証機関のSGS Malaysia Sdn Bhdによると、トルコへの輸出量は同600%以上の増加となり、中東は同559%増、中国は同120%増となった。トルコと中東への輸出が増加したのは、ウクライナ危機で黒海地域からひまわり油の輸出が妨げられていることが原因となっている可能性がある。
「CPOの価格は、ロシアがウクライナに侵攻したときに7,268リンギットの最高値を記録しましたが、今はその価格を下回っています。今月になり、生産量の増加に注目が集まっています」(Sathia Varqa)。
投資家はまた、インドネシア政府が国内の食用パーム油の価格を安定させるためのパーム油の国内市場(供給)義務(DMO)と国内価格義務(DPO)を撤廃すると発表したことにも注目している。今回の政策変更により、インドネシア輸出業者は、パーム油の供給を国内市場に多く割り当てる必要がなくなった。
出典:InfoSAWIT ENGLISH 3月22日付