2022年1月のインドネシアの粗パーム油(CPO)生産量は前月比約3%減の約386.3万トン、パーム核油(PKO)生産量は同約3.9%減の約36.5万トンと推計されている。22年1月の生産量が減少したのは、1月は季節的に収穫量が少ない時期であるためだ。一方、22年1月のCPO生産量は同3%減となったが、21年1月のCPO生産量が季節的なパターンにより前月比7%減となったことに比べると減少幅が小さい。
インドネシアは22年1月、マレーシアからパーム油製品5,100tを輸入した。その内訳は油脂化学製品4,800t、パーム脂肪酸蒸留物(PFAD ※)316t。12月末時点での最終貯蔵量は412.9万トンであったため、1月の総供給量は836.3万トンとなった。
インドネシアは、主にマレーシア(2,300t)とタイ(1,500t)から常温で液体の油脂「ソフトオイル」5,500tを輸入した。その内訳は、大豆油3,300t、ひまわり油500t、その他のソフトオイルは1,700tとなっている。
22年1月のパーム油の国内消費量は前月比9.6%減の150.6万トンとなった。最も消費量が大きいのはバイオディーゼル73.2万トンで、続いて食品産業59.1万トン、油脂化学産業18.3万トンだった。21年11月以降、パーム油は食品産業よりバイオディーゼルに多く消費されている。
22年1月のパーム油輸出量は前月比11.4%減の217.9万トンだった。2021年1月の輸出量286.1万トンに比べると23.8%減となっている。
21年12月から22年1月までに輸出量が減少したのは、季節的なパターンが原因であるが、今回はパーム油の生産が非常に限られており、価格が非常に高いことも原因となった。輸出量は、中国向けが前月比14.9万トン減(精製パーム油は同17.2万トン減)と最も変化が大きく、パキスタンは同10.8万トン減(精製パーム油は同13.9万トン減)、インドは同9.7万トン増(精製パーム油は12.6万トン増)となった。
22年1月末のパーム油とパーム核油の在庫は467. 8万トンで、12月末の412.9万トンから増加した。ロシアとウクライナの紛争により、石油価格は1バレルあたり100ドルを越え、インドネシアやその他の国の経済に財政的負担がかかっている。22年の初期は、ひまわり油と菜種油の主要生産国の1つであるウクライナからの供給が紛争により影響を受けるため、植物油市場は供給不足となるだろう。
その結果、植物油の価格が上昇し、輸入国はパーム油を代わりに輸入するだろう。インドネシア政府は国の貿易収支を安定させるために、パーム油の国内消費と輸出をしっかりと管理し、パーム油生産者は引き続き効率化を進め、生産性を向上させる必要がある。
※ 粗パーム油(CPO)を精製パーム油(RBD PO)に加工する工程でできる副産物。

出典:インドネシアパーム油協会(IPOA) 3月14日付