マレーシアパーム油委員会(MPOB)によると、粗パーム油(CPO)の価格が高騰しているのは、ロシアによるウクライナ侵攻による石油市場の重要な指標となるブレント原油の価格の上昇や、石油輸出国機構(OPEC)による生産量の制限に深く関係しているという。CPO価格は3月1日、1tあたり7,600リンギットの最高値となり、契約取引の高値は同7,700リンギット、安値は同7,500リンギットとなった。
MPOB会長・Datuk Dr Ahmad Parveez Ghulam Kadirは、「ブレント原油の価格は2月28日に1バレルあたり103,87ドルでしたが、3月1日には同115,58ドルと大幅に上昇しました。ブレント原油は2月7日には、すでに同100ドルを越えて取引され始めていました」と言った。ブレント原油が高騰しているため、バイオディーゼル原料として注目されるCPO価格も上昇している。
Ahmad Parveez会長は、「CPO価格が高騰しているもう1つの要因は、世界市場での価格競争により、大豆油価格が上昇していることです」と話した。大豆油は、22年1月に1tあたり1,508ドルと前月比3.5%上昇したが、3月1日には、同1,804ドルという高値で取引されている。
加えて、インドは価格に敏感な市場であるだけでなく、国内需要を満たすために多くの植物油を輸入している。インドネシアとマレーシアからCPOを輸入するほか、アルゼンチンとブラジルから大豆油、ロシアとウクライナからひまわり油など、他の植物油も輸入している。
マレーシアの経済・金融メディア、The Edge Marketsによると、Ahmad Parveez会長は、「ウクライナ危機により、ひまわり油の出荷が遅れると予想されており、インドはこの影響でひまわり油の国内貯蔵量が減少するため、CPO輸入量を増やす可能性があります」と話したという。
出典:InfoSAWIT ENGLISH 3月6日付