粗パーム油(CPO)は、大豆油、菜種油、ひまわり油に比べて最も高値になった。ロシアが侵攻したウクライナがある黒海地域が主要な輸出国となっているひまわり油の流通が影響を受けており、消費者がひまわり油の代わりにパーム油を使用している。そのため、貿易企業のバイヤーはひまわり油の代替品としてパーム油を確保する必要があるという。
3月1日付のロイターの報道によると、パーム油が歴史的な高値を記録し、燃料費と食費が増加するために価格に敏感になりやすいアジアやアフリカの消費者がパーム油の消費を減らして大豆油(BOc1)に置き換えることを余儀なくされる可能性がある。
CPO価格は諸費用、保険、輸送費(CIF)を含めて1tあたり約1,925ドルで入札され、1tあたり1,865ドルで入札された大豆油や、約1,900ドルで入札された菜種油よりはるかに高値になった。ウクライナ危機で多くの港が閉鎖されているため、貿易業者はひまわり油を提供できなかったという。
インドでは、パーム油の価格は、大豆油の価格を上回った。黒海地域は、世界のひまわり油生産量の60%、総輸出量の76%を占めている。
「アジアとヨーロッパの製油所は、ひまわり油の代わりとなるパーム油の購入を今後1カ月間増やしています。この動きにより、パーム油の価格は大幅に上昇しました」と、インドのムンバイに拠点を置くグローバル商社のディーラーは話した。
乾季のため、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイでの大豆の生産は減少する見込みだ。ディーラーは「消費者は大豆を購入するという選択肢がありますが、大豆は迅速に出荷しにくいため、パーム油に比べてアジアに到着するまでの時間がかかります」という。
パーム油を日常的に使っているアジアの消費者は、パーム油が大豆やヒマワリと比較して、1tあたり50ドル以上の高値になっていることに敏感だ。
パーム油の高騰は一時的なものであり、4月には消費者が大豆油を用いるようになると予想されるため、今後、数週間のうちに値下がりする可能性がある。「インドネシアはパーム油の輸出を制限しているため、パーム油の輸出の需要のほとんどはマレーシアによって供給されるでしょう」とインドの精製会社の関係者は話している。
出典:インドネシアパーム油協会(IPOA)2022年3月7日付
(記事はidxchannel.com、画像はdetik.comより引用)