マレーシア・パーム油委員会(MPOB)は、粗パーム油(CPO)の輸出がひっ迫して生産が大幅に減少したため、マレーシアのCPO供給量は2022年1月下旬まで減少したと発表した。

 マレーシア・パーム油委員会(MPOB)によると、マレーシアの1月のCPO在庫量は、CPO生産量が減少したため、前月比7.7%減の78万6,828tになったという。1月のパーム油在庫量は同3.9%減の155万t、精製パーム油の在庫量は同0.5%増の76万5,586tになった。

 一方、英国の検査会社・Intertek Testing Services(ITS)によると、2月1~10日のマレーシアからのCPO輸出量は、前月同期比5%減の31万8,078tだった。

 インドのTrans Graph Consulting主任研究員・Aditya Jeripotulaは米国の情報会社・S&P Global Plattの発表内容から、「マレーシアでパーム油の輸出が多く輸入が少ないのは、MPOBによると、インドネシア政府が1月下旬頃に決定した政策の影響を受けています」と話している。インドネシアは1月27日、輸出企業が輸出許可を取得する場合に、パーム油輸出量のうち20%を国内在庫として確保すべきであると発表した。この決定により、パーム油の輸出がしばらく停止して、CPO価格が過去数日間で大幅に上昇した。

 シンガポールの金融機関、Phillip Futuresマレーシア拠点のマーケティング部長兼デリバティブ・ディーラー・Marcello Cultreraは、マレーシアのCPO生産量は2月に前月比約3%増加し、CPO輸出量は同約7~8%増加する可能性があると予測している。

出典:InfoSAWIT 2月14日付