インドネシア政府は、2月初旬に軽油にパーム油ベースのバイオディーゼルを40%混合した「B40」の実地試験を始めることを計画している。バイオディーゼルの使用により、再生可能エネルギーを普及させて温室効果ガス排出量を削減できるほか、パーム原油(CPO)消費量を増やすことができると見込んでいる。

 インドネシア・エネルギー鉱物資源省(MEMR)新再生可能エネルギーおよび省エネ局長のDadan Kusdianaは17日、「軽油にパーム油ベースのバイオディーゼルを40%混合した『B40』の路上試験を、2月初旬に行う予定です」と発表した。B40の実地試験は、最大5カ月かかる見込みだという。

 インドネシア政府は、2020~21年にB40の使用に関する実験室での試験を実施したという。「実験室での試験結果から、B40の使用に関して必要な特定の情報を得られました。インドネシアにおけるB40の普及に向けて、今回の実地試験の結果を活用したいと考えています。また、B40に使用されるバイオディーゼルやディーゼル燃料の品質を向上させるために、これらの生産において満たすべき品質についての推奨事項を準備しています」(Dadan Kusdiana)。

 インドネシア政府は現在、新しい再生可能エネルギーの使用を増やし、貿易赤字を減らし、二酸化炭素の排出量を削減することを目的として、軽油にパーム油ベースのバイオディーゼルを30%混合する「B30」の生産義務化政策を実施しているという。また、21年のB30生産量は930万キロリットルとなり、B30を使用することで66兆5,400ルピアの外国為替が節約されたという。

 Dadan Kusdianは、「15~21年のバイオディーゼル消費量は2,914万キロリットル(110兆ルピア)、 15~21年のバイオディーゼル流通量は3,307万キロリットルとなりました。バイオディーゼルを使用すると、再生可能エネルギーを新たに普及させて温室効果ガス排出量を削減できるほか、パーム原油(CPO)の国内消費量を増やし、小規模農家からより高い価格でCPOを購入できるという多くのメリットがあります」と話している。

出典:インドネシアパーム油協会(IPOA) 1月20日付(Warta Ekonomi / Antara)