インドネシア工業省は、駐日インドネシア共和国大使館の産業担当官を通じて、パーム関連のバイオマス燃料をテーマにしたビジネスフォーラムを9月26日に東京で開催した。パーム椰子殻(PKS)ペレットの熱量は1kg当たり6,100~6,400kcalと無煙炭と同水準になる可能性があり、日本企業の高度なバイオマス加工技術に期待が集まっている。

再生可能エネルギーの経済技術協力を強化

 パーム椰子殻(PKS)産業での投資分野の1つとして、エネルギー密度の高いバイオマス燃料のペレットが挙げられる。PKSペレットの熱量は1kg当たり6,100~6,400kcalと無煙炭と同水準になる可能性があるためだ。

 PKSペレットの開発においては、住友グループ、三菱グループ、(株)IHIなどの日本企業が開発した加工機械などにおいて、さらなる加工技術の発展に向けて多くの挑戦が求められている。

 インドネシア工業省は、駐日インドネシア共和国大使館の産業担当官を通じて、「持続可能なパーム油バイオマス産業に関するインドネシア―日本ビジネスフォーラム」を9月26日に東京で開催した。このビジネスフォーラムには、インドネシアPKS協会(APCASI)と(一社)日本バイオマス発電事業者協会(BPA)に加盟するPKS業界関係者が参加した。ビジネスフォーラムは、インドネシア共和国工業省と在大阪インドネシア貿易促進センター(ITPC)の協力により開催された。

 今回のビジネスフォーラムは、高度なバイオマス加工技術を開発している日本企業も対象としており、インドネシア産のPKSを加工することによる大きな経済的価値について理解を深めることを目的としている。

 インドネシア工業省産業強靱化・地域・国際産業アクセス総局長官のEko SA Cahyantoは、今回のビジネスフォーラムにより再生可能エネルギー部門の経済技術協力がより強化されることを望んでいる。この協力は、インドネシアの国家エネルギー移行プログラムを実施する1つのかたちとなるだろう。つまり、パーム農園の副産物を活用して新しい再生可能エネルギーを生産するために、エネルギーの利用者である工業部門の役割を拡大することを目指している。

 Dikki Akhmar・インドネシアPKS協会(APCASI)会長は、インドネシア産のパーム油の持続可能性の観点から、PKS業界関係者は、PKS生産地域のコミュニティの経済を発展させるなど環境にやさしく持続可能な原則を実行していると述べた。

 「持続可能性という観点は重要です。なぜなら、PKSを含む多くのパーム関連製品のバイヤーが『持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)』や『インドネシアの持続可能なパーム油(ISPO)』などの持続可能性の認証を必要としているためです」(Dikki Akhmar会長)。

 今回のビジネスフォーラムでは、年間約1億3,520万ドルのPKSに関する覚書が締結された。覚書を締結した企業は、下記の通り。

PT. Jatim Propertindo and Hanwa & N. Taiheyo Cement
PT. Eka Sapta Paramita Energi, Semec and Iwatani
PT. Bersaudara Natural Energi and Thomas International Co.、 Ltd and PTT Pacific
Biomass Andalan Indonesia Baik and PTT Pacific
PT. Inti Persada with Thomas International Co.、 Ltd.

出典:InfoSAWIT ENGLISH 10月5日