パーム油工場廃液(POME)をバイオガス燃料に
10月18日にインドネシア・バリ島のヌサドゥアで開催された国有企業のG20サミットの際に署名された合意に基づき、国営石油会社プルタミナ(PT. Pertamina)の持株会社である国営ガス大手PGNとPT. KIS Biofuels Indonesia(KIS)はパーム油の廃棄物からのバイオメタンの開発に関する共同の実現可能性調査を行う。バイオガスは、バイオ圧縮天然ガス(バイオCNG)として、またはPGNが所有するガスパイプライン基盤により提供される。
M. Haryo Yunianto PGN社長は、「PGNとKISは、バイオメタンプラントの開発とその支援施設に共同投資を行う可能性を検討することについても合意しました。KISは、バイオメタン、輸送、バイオCNGの生産プロセスに関して、技術的および商業的情報をPGNに提供します」と語っている。
バイオCNGは、パーム油工場廃液(POME)から圧縮されて生成されるバイオメタンだ。特別な処理をしなければ、環境に有害であり、気候変動に影響を与える可能性があるが、特別な工程を経て、再生可能なバイオガスとなる。バイオメタンの性質は天然ガスに非常に似ているため、車両、ヒーター、発電機の燃料として使用できる。
PGNは、バイオCNGビジネスの専門知識をもつKISグループとの提携により、バイオCNGとしての天然ガスの供給が増加し、インドネシアのエネルギー供給力が強化されることが期待されている。
「バイオCNGは、スマトラ島の天然ガスの需要を満たす1つの選択肢になる可能性があります。バイオCNGの性質は、PGNによって供給される天然ガスに似ているため、利用者は2種類のガスを柔軟に切り替えることができます」(Haryo社長)。
バイオ圧縮天然ガス(バイオCNG)の利用計画
両社はまた、カーボン(炭素)認証の取得や国際市場での取引方法に関しても協力体制を模索する。カーボン認証は、炭素排出量を削減するための世界的な取り組みの一環として、再生可能なエネルギー源の使用を促す仕組みの1つだ。
環境に優しい再生可能エネルギー源としてのバイオCNGプロジェクトにより、インドネシアの化石燃料に対する依存度を下げることができると考えられている。
世界最大のパーム油生産国であるインドネシアではバイオCNGの原材料が豊富に供給されているため、バイオCNGを長期的に使用することで国家経済が活性化し、国民に対しても相乗的なメリットの効果があるという。
出典:インドネシアパーム油協会(IPOA) 10月31日付
記事:dunia-energi.com、画像:aprobi.or.idより