ズルキフリ・ハサン・インドネシア商業大臣が、食用パーム油生産企業に対して、パーム油の原料となるアブラヤシの実(FFB)を生産農家から1kg当たり最低1,600ルピアで購入するよう命じた。しかし、これまでの規制により、インドネシア全土の小規模農家に同じ最低価格が適用されるわけではないため、小規模農家がアブラヤシ農園を続けることが難しい状況となっている。

 インドネシア・アブラヤシ農家組織協会(POPSI)、インドネシア・アブラヤシ農家協会(Apkasindo)、アブラヤシ生産農家組合(SPKS)、人民アブラヤシ農家協会(ASPEKPIR)、インドネシア持続可能なアブラヤシ農家ネットワーク(Japsbi)に加盟している、パーム油の原料となるアブラヤシの実(FFB)を生産する小規模農家らは、農家からFFBを買い取る際の価格規制について懸念している。ズルキフリ・ハサン・インドネシア商業大臣が、食用パーム油生産企業に対して、FFBを生産農家から1kg当たり最低1,600ルピアで購入するよう命じた。しかし、小規模農家のFFB価格の決定に関する規制がここ数年続いており、インドネシア全土の小規模農家に同じ買い取り価格が適用されるわけではないため、小規模農家に損失をもたらす可能性があると考えられるためだ。

 インドネシア・アブラヤシ農家組織協会のPahala Sibuea会長は、ズルキフリ・ハサン商業大臣が、食用パーム油生産者に小規模農家のFFBを1kg当たり最低1,600ルピアで購入するよう伝えることについて、認識に誤りがあると考えている。この提案は、小規模農家からのFFBの購入を規制する農業大臣規則No.1/2018に反するため、インドネシア政府は規則に基づいて声明を発表する必要があるという。

 「現在、農家からのFFBの買い取り価格は1kg当たり1,000ルピアを下回り、一部の地域では、1kg当たり400ルピアまで下がっているため、小規模農家は農園や生計を維持するのが非常に困難な状況です。現在のFFB価格では、農家がアブラヤシ農園を続けることは非常に難しいです」(Pahala Sibuea会長)。

 Pahala Sibuea会長は、商業省が適切な解決策を見つけることを望んでいる。加えて、多くのパーム油工場(PKS)では、貯蔵タンクが満杯であるため、FFBを加工せず、小規模農家からFFBを購入しない傾向にあるため、緊急対策を実行した方がよいと考えている。現在、粗パーム油(CPO)の輸出時に課税される輸出税とパーム農園基金の徴収が非常に高く、現在1tあたり約600ドルであるため、政府はCPOへの課税を再評価する必要があるという。CPO価格が1tあたり1,100ドルの場合、課税額は約600ドルになる可能性があり、これはCPO価格の約50%におよぶ規模だ。

出典:InfoSAWIT ENGLISH 7月1日