インドネシア・バイオ燃料製造協会(APROBI)のパウルス・チャクラワン会長は5月12日、「インドネシアのバイオディーゼル生産は過去16年間で急速に増加し、2021年の総生産量は1,660万kLになりました」と発表した。同協会のデータによると、軽油にバイオディーゼルを30%混合した「B30」の流通量は20年に843万kL、21年には844万kLとなった。2年間のコロナ禍によるインドネシア社会経済への影響により、22年には1,015万kLになると予測されている。
パウルス会長は、「バイオディーゼルを生産するために用いられた粗パーム油(CPO)は、21年のCPO総生産量4,809万tの15%に達しました」と話す。22年にバイオディーゼルに用いられるパーム油は、総生産量の17%になると予測されている。
「バイオディーゼル燃料により、国家エネルギー転換プログラムが促進されます。パーム油を原料としたエネルギー開発により、パーム油からガソリンや航空機燃料がつくられる可能性があります」(パウルス会長)。
環境面では、B30を使うことで、21年は最大2,259万tの温室効果ガス(CO2)排出量を削減することができた。バイオディーゼルを使うことで、外国為替の節約もできる。パウルス会長は、「B30により、ディーゼル輸入にともなう国家支出が最大38億ドル削減されました」という。インドネシアはB30を用いることで、ディーゼルの輸入を段階的に減らすだろう。
バイオディーゼル義務化政策は、世界市場の需要が弱まっているときに、国内のパーム油の利用を増やすためにも効果的だ。パウルス会長は「バイオディーゼルを使うことで、パーム油の国内消費と輸出のバランスを取ることができます。加えて、21年から22年3月にかけて、小規模農家から取引されたパーム油の原料となるアブラヤシの実の平均価格は1kg当たり3,000ルピアを超えて安定しているため、小規模農家の福祉を向上させるのに役立ちます」と語る。
出典:InfoSAWIT ENGLISH 5月14日