2021年のインドネシアの粗パーム油(CPO)の生産量は、4,700万トンを超えた。 国営のパーム農園運営企業、PT. Perkebunan Nusantara(PTPN)が生産するパーム油の原料となるアブラヤシの実(FFB)がインドネシア国内生産量の4%に達したと仮定すると、これらのアブラヤシの実を収穫することで、国民の需要を満たす食用パーム油の生産に使用できるという。

 インドネシアのパーム油事業の経験が豊富なマルリ・ガルトム氏によると、インドネシアの食用パーム油の需要は月に約2億リットルであり、約16万トンのCPOが原料として必要になるという。

 「インドネシア国民の食用パーム油の需要を満たすための最も優れた解決策は、PTPNで生産されたCPOを国の財産として国民の利益のために優先して用いることです。それでもまだ食用パーム油が不足している場合には、政府はCPOの約41%を生産している小規模農家からアブラヤシの実を購入することができるはずです」(ガルトム氏)。

 InfoSAWITの調査によると、政府の共同マーケティング事務所としてオークションでCPOを販売するPT. Kharisma Pemasaran Bersama Nusantara(KPBN)を通して、PTPNのCPO生産に関するマーケティングが行われている。しばらく前に国内市場(供給)義務(DMO)と国内価格義務(DPO)が施行されたときの仮定に従って、CPO価格は1kgあたり9,000ルピア、食用パーム油価格は1Lあたり14,000ルピアとなる必要があるという。残念ながら、KPBNは、1kg当たり13,000ルピアを超える輸出基準価格に基づいてCPOを販売している。

 ジョコ・ウィドド大統領は4月27日、CPOとその派生品の輸出禁止を発表するにあたり、政府は、国民が経済的な食用パーム油を入手することを優先したと発表した。

 KPBNの情報によると、5月13日のCPO価格は以下の通り。1kgあたりの入札価格であり、付加価値税を除く。

粗パーム油(CPO)
ベラワン&ドゥマイ:入札価格13,889ルピア-INL
シアク:13,839ルピア(WD)。最高入札価格12,260ルピア-IBP
T.Duku:13,789ルピア(WD)最高入札価格12,400ルピア-EUP
テルク・バユール:13789ルピア(WD)。最高入札価格12,290ルピア-WIRA
パロポ:13,689ルピア(WD)。最高入札価格11,700ルピア-EUP

パーム核油(CPKO)
パレンバン:18,636ルピア(WD)。最高入札価格17,200ルピア- UNILEVER
ランプン:18,493ルピア(WD)。入札価格16,000ルピア-AMJP

 09年にインドネシアのパーム油委員会事務局長IIを務め、現在はインドネシアのパーム油の動向を観測する専門家のイグナティウス・エリー・クルニアワンによると、CPO価格が1kgあたり13,000ルピアを超えているため、食用パーム油を1Lあたり14,000ルピアで販売することは難しいという。インドネシア政府が1Lあたり14,000ルピアの価格を達成したいと考えているならば、国内市場(供給)義務政策により、1kgあたり9000ルピアの価格でPTPNにCPOを供給させるべきだ。CPOを安価で利用できるようになれば、食用パーム油は1Lあたり14,000ルピアで販売されるようになる可能性がある。

 エリー氏は、「PTPNは、小規模農家を犠牲にして自社の利益を得るのではなく、ジョコ・ウィドド大統領の指示に従って、国内市場にCPOを提供し始める必要があります」と話している。

 国民が手頃な価格で購入できる食用パーム油を生産するためには、CPOの価格が下がることが条件だ。加えて、価格差がある場合には、政府はCPO生産者であるPTPNにパーム油農園基金管理庁(PFMA)によるパーム農園基金を補助金として提供することができる。「それでも食用パーム油が不足している場合は、政府は通常の価格で小規模農家からアブラヤシの実を購入し、パーム油農園基金管理庁は補助金を支給する必要があります。インドネシア国民の需要を満たすことに、まず焦点を充てるべきです」とエリー氏はPTPNに提案した。

 国民が1Lあたり14,000ルピアで購入できるサプライチェーンを築くためには、安い価格でCPOを供給する必要がある。「PTPNは国民が必要としている食用パーム油を生産するために、CPOを低価格で供給することを先延ばしにしてはいけません」(エリー氏)。

出典:InfoSAWIT ENGLISH 5月17日