マレーシア政府は今年、パーム農園で働く外国人労働者を多く採用することで、粗パーム油(CPO)の生産を増やすことを計画している。2021年のマレーシアのCPO生産量は、コロナ禍で外国人労働者の入国制限により採用に支障が出たため、パーム農園で人手不足となり、前年比100万トン減(5%減)の1,810万トンとなった。しかし、CPO需要は増え続けており、バングラデシュ、インド、インドネシアから新しい労働者数千人を採用する見込みだ。
マレーシア政府は外国人労働者3万2,000人を受け入れる計画であり、人手不足が解決されれば、マレーシアはほかの国に比べてはるかに多くのCPOを供給できるだろう。マレーシアの国営ベルナマ通信によると、マレーシアプランテーション産業・商品省のDatuk Zuraida Kamaruddin大臣は、「パーム産業関係者からの提案により、進められています」と話したという。
Datuk Zuraida大臣は2月1日、インドのV Muraleedharan 外務大臣との議論のなかで、マレーシアのプランテーション産業で外国人労働者の需要が高まっていると語った。「私が(V Muraleedharan 外務大臣と)会ったとき、プランテーション部門で労働者を雇用するための長期的な規制について話し合いました」(Datuk Zuraida大臣)。
両大臣は、この問題で両国間の覚書に署名することについて議論した。加えて、マレーシアは、外国人労働者への依存を最小限に抑えるために、プランテーション産業における機械化を進めている。6,000万リンギットの予算をかけたプロジェクトでは、「パーム油産業の機械化および自動化研究共同体(MARCOP)」と提携しており、昨年、今後3~5年以内に自動化できるようにすることが承認された。
Datuk Zuraida大臣は、インドとの商品貿易についての議論のなかで、「インドネシアとインドがパーム油の派生製品の共同事業を立ち上げるチャンスでしょう」と話した。昨年のインドのCPO購入量は約360万トンで、前年比31%増となっている。
経済・金融情報メディアのThe Edge Marketsによると、Datuk Zuraida大臣は、「インドは国内のCPO需要を賄うために、マレーシアからより多くのCPOを購入するでしょう。両国の企業は、より広大な地域の市場に向けて協力し、技術、新製品を活用することで貿易関係を多角化することができます」と話している。
出典:InfoSAWIT ENGLISH 3月3日付