インドネシアのエネルギー鉱物資源大臣・Arifin Tasrifは、インドネシア政府はパーム油由来の燃料を40%含むバイオディーゼル「B40」を開発するため、戦略的な計画を立てていると話している。

 インドネシアのエネルギー鉱物資源大臣・Arifin Tasrifはジャカルタで開かれたオンライン会議で、「インドネシア政府は、パーム油由来の燃料を40%含むバイオディーゼル『B40』の生産目標を達成するため、インドネシア国営石油会社プルタミナの精製所(ドゥマイ精製所ユニットII)にて2022年に共同で製油する『グリーンディーゼル』の開発を行うなど、多くの戦略を立てています」と話した。

 プルタミナは22年にジャワ島中部のチラチャプ、24年にスマトラ島南部のプラジュに「バイオ精製所」を開発するという。これらのバイオ精製所では、100%植物油由来の原料を使用して、グリーンディーゼルと航空機燃料 (Avtur)を生産する。

 その後、エネルギー鉱物資源省(MEMR)は、「Bensin Sawit Rakyat」(人々のパームガソリン)として知られているパーム原油(CPO)から「グリーンガソリン」を開発する予定だ。また、グリーンガソリンの開発には、スマトラ島南部のムシバニュアシンの小規模農家が参加する予定だ。

 Arifin Tasrif大臣は、「現在、ジャワ島西部のバンドンで試験的な実証計画を準備しています。CPOを用いてエネルギーを地域で自給自足できることが期待されており、この計画は地域の小さな単位で行われます。インドネシア政府は27年に石油燃料の輸入を停止し、炭素排出量を削減し、地元の市場でパーム油の消費を増やすことを目的とした『B30』の生産義務化政策を実施しています。このバイオディーゼル政策を実施することで、インドネシアの外国為替が節約され、小規模農家と生産者の福祉が向上するでしょう」と言った。

 Arifin Tasrif大臣は、バイオディーゼルの生産義務化政策はこれまで15年間成功しており、インドネシアはバイオ燃料を30%含むバイオディーゼル生産のパイオニアになっていると指摘した。インドネシア政府は、バンドンからジャカルタへ、またはその逆の飛行ルートでバイオ航空機燃料を使用して、航空機「CN 235-220」の飛行試験に成功した。

 「飛行試験は満足のいく結果が出ており、バイオディーゼルの品質をさらに改善するように促しています。バイオディーゼルは、インドネシアの自然資源のメリットを生かして開発できる新しい分野です。インドネシアのバイオ航空機燃料は、国際市場に参入するために開発を行うことで、さらに品質が高まる可能性を秘めています」(Arifin Tasrif大臣)。

出典:インドネシアパーム油協会(IPOA) 1月22日付(Antaranews.com)