ISPO認証とは?
インドネシア食糧・農業産業調整次官のMusdhalifah Machmudが12月1日、インドネシアパーム油会議(IPOC2021)で「新ISPOの実施状況」をテーマに講演した。「インドネシアの持続的なパーム油(IPSO認証)」はインドネシア大統領令2020年第44号によるもので、ISPOの目的は下記の3つだ。
(1)IPSO原則と基準により、パーム油農園管理の向上と開発の実施。
(2)国内外市場におけるインドネシアのパーム油農園の競争力を強化し、国際的な支持を得ること。
(3)温室効果ガス排出量の削減の強化。
ISPOに関して、施行される法律は以下の通り。
・経済担当調整大臣法令2020年第10号(ISPO組織制度の管理)
・農業大臣法令2020年第38号(川上のサプライチェーン向けのISPO認証の実施)
・工業大臣法令(制定中、川下のサプライチェーン向け)
新IPSO認証で改善されたこと

(IPOC2021、インドネシア食糧・農業産業調整次官のMusdhalifah Machmudの講演資料より)
新ISPOの指針は以下の通り。
(1)法律や規則の遵守
(2)農業生産工程管理(GAPs)の適用
(3)環境や自然資源、生物多様性の管理
(4)労働者に対する責任
(5)社会的責任、地域経済の強化
(6)透明性
(7)事業持続性の向上
小規模の自作農園、国営企業、民間企業などあらゆる種類の農園に対して、ISPO認証の取得が義務付けられている。小規模農園に対しては、5年間の移行期間がある。インドネシア政府は小規模農園に対して指導・監督を行い、小規模農園グループや小規模農園協同組合の役割を強化する。
IPSO認証の実施状況
インドネシアでISPO認証を取得しているのは、パーム原油(CPO)1,204万トン、農地453万ha。内訳としては、小規模農園23件(3%)、国営企業67件(9%)、民間企業675件(88%)となっている(Kementan 2021より)。インドネシアのパーム油農園1,683万haのうち、ISPO認証を取得している農園は453万ha(27%)、ISPO認証を取得していない農園は約1,203万ha(73%)となっている。
インドネシア政府は、ISPOが国際的に正しく評価されるよう、日本など輸出先の国と外交会議で建設的な対話を行い、持続可能なパーム油に関する取り組みを進めている。
【石井 ゆかり】