(聞き手:PT. ZANN CAPITAL INTERNATIONALゼネラルマネジャーのモハマド・アブドラ・アズィズ氏)

――地球温暖化防止の脱炭素化政策により、インドネシアの石油やガスの生産・輸出体制には、どのような影響がありますか。
ウキ 今のところ、石油やガスなどの化石燃料産業への影響はありません。インドネシア国営電力公社PT. PLNによる独占の現状を踏まえても、脱炭素化により化石燃料から再生可能エネルギーに移行するのは、実務レベルではまだ時間がかかると見ています。
――今後、石油やガスの生産・輸出体制にどのような変化がありますか。
ウキ プルタミナ経営陣およびインドネシア政府から、抜本的な方針転換と見られる発表はまだありません。川上企業と、石油とガスの生産の維持を引き続き行う必要があります。
――プルタミナのバイオマス燃料ビジネスの将来の見通しはどうですか。
ウキ プルタミナはバイオマス燃料を現場での作業用として応用し始めています。加えて、バイオディーゼルを燃料に30%配合した「B30」の研究開発への投資を進めています。
――インドネシアのバイオマス発電所は、どのような可能性がありますか。
グナワン 電力事業は依然として、PLNによって独占されています。PLNの電力が手頃な価格になるように、バイオマス燃料の生産量を増やすための橋渡しが必要です。

――インドネシアにおけるパーム油やPKSなどパーム燃料の生産や輸出にはどのような動きがありますか。
グナワン 現在、パーム油やPKSの生産が減少しているというニュースはありません。
――インドネシアにおける木質ペレットの需要や生産、輸出はどのような動きがありますか。
グナワン 木質ペレットの生産は現在、不安定です。石炭をバイオマス燃料に置き換えるなら、木質ペレットが不可欠です。
――今後のバイオマス燃料の輸出の展望を教えてください。
グナワン バイオマス燃料は確実に需要があり、今後も需要は増え続けるでしょう。インドネシアでは、バイオマス燃料部門への投資は増え続けています。この流れに逆らうことなく、インドネシア政府により、今後、関税が引き下げられることを期待しています。日本から多くの投資家が、持続可能で将来性のあるバイオマス産業に参入することを期待しています。