インドネシア・パーム油協会(Gapki)のJoko Supriyono会長は、「インドネシアのパーム油加工産業は順調に発展しており、未加工のパーム原油(CPO)の輸出が減少し、パーム油加工品の輸出が増加している」と話している。

インドネシア政府、パーム油加工品の輸出促進

 インドネシア・パーム油協会(Gapki)のJoko Supriyono会長は、下記のように話している。

 「インドネシアのパーム油の輸出量のうちパーム原油(CPO)が占める割合は、過去数年間で約20%まで減少し、2021年9月にわずか9%まで減少しました。ほとんどのパーム油は、油脂化学品、バイオディーゼル、パーム核原油(CPKO)加工品など、精製・漂白・脱臭(RBD)された加工品として輸出されています。

 インドネシアのパーム油産業の川下工程(加工工程)は、パーム油輸出税(PE)とパーム油関税(BK)などの政府の政策や規制によって発展を続けています。CPO輸出量は過去最低水準まで減少していますが、今後も減少し続けるでしょう。

 世界市場では、CPOとRBDパーム油などの川下製品の価格はほとんどの場合、それほど変わりません。インドネシア政府は自国のパーム油産業の発展を促進するため、パーム油の輸出税を適用しており、CPOの輸出税はRBDパーム油の輸出税よりも高額です。加えて、インドネシア政府はパーム油の関税も適用しました。そのため、CPOとパーム油加工製品は価格が高くなるほど、輸出税と関税も上がります。

 インドネシアでは、パーム油の輸出税と関税により、CPOとパーム油加工品の正価は世界市場の相場をはるかに下回っています。さらにインドネシアでは、CPOはパーム油加工品よりも安価です。パーム油加工品の輸出はCPOの輸出よりも収益性が高いため、インドネシアでは、パーム油加工品の輸出がCPOに比べて優勢となってきました」。

グローバル市場の動向

 Joko会長は続けて、以下のように話した。

 「インドネシアのパーム油の川下産業は、世界市場の状況に合わせて発展してきました。バイオディーゼルなどのパーム油加工品は、世界市場でいくつかの課題に直面しているため、世界市場の需要があり普及しやすい川下製品を再度検討する必要があります。非常に競争の激しい世界のパーム油加工品市場の需要を常に考えなければなりません。

 たとえば、インドネシアでは、輸出税、関税政策、規制によって政府が支援し大量生産に成功したバイオディーゼル生産量をさらに増やすことができます。バイオディーゼルは世界市場で需要が高く、よく売れます。一方、気候変動に関する問題により、バイオディーゼルの原料としてCPOの利用を段階的に廃止すると予想される欧州連合(EU)な、バイオディーゼルは世界市場でいくつかの課題に直面している点も注意することが必要です」。

出典:Investor Daily(画像:palmoillabour.networkより引用)

   Indonesian Palm Oil Association 12月3日付