2021年第2、第3四半期のインドネシア経済では、石油とガスを除く総輸出額のうち15.6%を占めるパーム油産業も、国内総生産が上昇した要因となっている。約1,620万人を雇用するパーム油産業では、環境を保護しつつ国際競争力を得るため、研究開発が必要とされている。インドネシアが国際的な交渉力を高めるためにも、これらの取り組みは不可欠だ。
Airlangga Hartarto経済担当調整大臣は、パーム油産業では、主に下記の3つの分野に焦点を当てて研究し改善を続けるべきだとしている。1つ目は、種子(品種)、肥料、機械、組織、収穫技術などの上流部門から、需要を満たして環境を守り、市場を拡大する製品の開発などの下流部門に相乗効果を与える産業の強化、権限譲渡、開発、プランテーションの分野だ。2つ目は、工場での技術の強化や小規模農家への権限譲渡に向けたデータの統合、生産性や生産能力の向上に関するものだ。3つ目は、国内でパーム油を使用する市場づくり、パーム原油(CPO)のバイオディーゼル燃料100%を使用する「B100」や航空タービンの研究だ。B100は、インドネシア政府がバイオ燃料の使用を奨励することで、化石燃料の使用への依存を減らす政策だ。
Airlangga大臣は17日、「エネルギーにおける独立性を実現し、CO2排出量を削減し、20年のディーゼル輸入量を約380億ドルに抑えるために、下流部門を発展させる必要があります。今年は、バイオディーゼルを軽油に30%混合した『B30』政策により、インドネシアは外国為替取引で560億ルピアを節約するだろうと予測されています」と、パーム油プランテーション基金管理庁(PFMA)主催の「インドネシアのパーム油研究週間」の会合で話した。
Airlangga大臣によると、B30政策により、パーム油の価格を1tあたり1,283ドル以内となるスーパーサイクルで安定しているという。農家から出荷されるパーム果物(FFB)の為替相場は、この影響で1kg当たり2,800~3,000ルピアと比較的高価になった。
Airlangga大臣は「小規模農家は、気候変動に関する対策と民間組織や企業に比べて生産性が低いことを解決するための支援を必要としています」と話している。
出典:infoSAWIT 11月19日付