11月は、マレーシアのパーム油輸出が増加すると予想されている。インドネシアは11月のパーム原油(CPO)1tあたりの輸出税を200ドル、パーム油税を約175ドルとしており、マレーシアはインドネシアより輸出関税が安いためだ。

輸出関税が安いマレーシア

 マレーシアのパーム油委員会(MPOB)によると、マレーシアの10月のパーム油輸出量は前月比▲12%の141.8万tとなった。エネルギー関連の情報配信会社であるS&P グローバル・プラッツの予想であった同▲13%より減少幅が小さかった。

 S&Pグローバルによると、マレーシアはインドネシアよりも輸入関税が安くなっているため、マレーシアのパーム油輸出量は11月に増加するという予想だ。インドネシアは、11月のパーム原油(CPO)基準価格を1tあたり1,283.38ドルとし、1tあたりの輸出税を同+34ドルの200ドルに決定し、パーム原油1tあたり約175ドルのパーム油税を課している。

 インドの油や油糧種子の仲介企業であるSunvin Groupの植物油主任研究員・Anilkumar Baganiは、「マレーシアのパーム油の輸出量は11月に増加する可能性がある。価格は高騰したままであるが、輸出量に応じて価格は変わるだろう」と述べている。

マレーシア生産減でパーム原油の価格上昇

 パーム原油のロッテルダム港における9月のCIF価格は前月比+9ドルの1tあたり1,235ドルとなった。一方、大豆油のオランダ工場渡し価格は同▲30ドルの1,405ドル、ひまわり油の北西ヨーロッパFOB価格は同▲47ドルの1,333ドル、菜種油のオランダFOB価格は同▲120ドルの1,486ドルと、それぞれ下落している。

 インドネシアパーム油協会(IPOA)常務理事・Mukti Sardjonoは11日、「9月初旬の在庫が340万tで前月初旬比▲110万tとなっているため、パーム原油の価格はさらに高騰する可能性があります」と発表した。

 インドネシアの9月のパーム油国内使用量は147.5万tで前月からほぼ横ばい。内訳では、食用パーム油は67.2万tで前月比▲6.4%となった。油脂化学品としての需要はほぼ横ばいであったが、バイオディーゼルとしての需要は62.2万tで前月比+9.3%となった。

 インドネシアの9月のパーム原油生産量は、同▲約1%の417.6万t。マレーシアのぱパーム原油生産量は同▲0.39%となった。Muktiは、「生産量が少なく輸出量も減少しているため、9月後半のインドネシアの在庫は同22万t増加し、365万tとなった」と話している。

出典:infoSAWIT 11月13日付