
福岡県苅田町ではバイオマス発電所の建設ラッシュが続いている。2021年6月に苅田バイオマスエナジー(株)が営業運転を開始。今年2月にはバイオパワー苅田合同会社の発電所、来年10月には(株)日本海水TTS苅田パワーの発電所が運転を開始する予定。
苅田バイオマスエナジー (株)の苅田バイオマス発電所は、出力規模7万5,000kW、年間発電量は約5億kWhで、これは一般家庭約17万世帯の年間使用電力量に相当する。燃料は木質ペレット、PKS(パーム椰子殻)などが用いられており、木質ペレットは主にアメリカから、PKSは主にインドネシアから輸入しているという。バイオパワー苅田合同会社のかんだ発電所は、出力規模約7万5,000kW、年間発電量は約5億kWhで、燃料は木質ペレットなどを使用。昨年4月から建設工事に着手している(株)日本海水TTS苅田パワーの発電所の出力規模は約5万kW、燃料はPKSなどで、23年10月の営業運転開始を予定している。


バイオマス発電所の建設にあたっての必要条件は、発電所を建設する土地の確保、燃料の調達と輸送、大量に使用する水の確保、発電した電気を送るための送電線の整備、そして周辺住民の理解を得ること。なかでも燃料の調達と輸送は、安定操業やランニングコストにかかわってくるため最も重要となっている。 苅田町は上記に挙げた条件をすべて満たしており、それが今回の建設ラッシュへとつながっている。
【新貝 竜也】